日本福祉施設士会【DSWI】メールマガジン No.100
令和6(2024)年8月1日
(本メールマガジンは毎月1回1日に配信しています)
【本号の内容】
〔連載〕
1) 今月のチェックリスト
今、あらためて災害対応を考える
2) 時事/用語解説
少子化対策の基本を考える
3) 会員のつぶやき
4)施設長のための業務チェックリスト(実践のポイント)取り組み紹介
〔お知らせ〕
・第45回全国福祉施設士セミナー 8月9日まで申込受付中
・ブロックセミナー開催情報(日程・会場)(中国・四国、関東甲信越静)
*本号本文は約3,600文字です。
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〔連載〕
1) 今月のチェックリスト
「今、あらためて災害対応を考える」
今年の正月気分は、目覚めてからわずか半日あまりで奪われました。
元日に発生した令和6年能登半島地震は、マグニチュード7.6、最大震度は7。建物の崩壊、道路の寸断、液状化など目を覆いたくなるような被害状況となっていることは、すでに報道等で皆様もご存知のことと思います。
家屋被害が少ない地域でも広範囲で断水となり、普段なら初売りや福袋を買い回る正月三が日は、水を買い巡って終わりました。
7月1日時点(内閣府発表)の死者は281人(うち災害関連死は52人)、行方不明者3人、負傷者は隣県も合わせて1,326人、避難者数は2,086人となっており、今もなお多くの被災者が不自由な生活を強いられています。またこの半年間で震度1以上の地震は1,880回、うち震度3以上は250回にのぼり、未だに不安な状態が続いていることは変わりません。
そんな中、地震を含む災害対応については一層の準備が求められていますが、個人的にはまだまだ不十分感が否めません。以下はあくまで基本的なことであり皆様はすでにご承知のことと思いますが、自分自身への振り返りの意味もあり、あらためて挙げさせていただきます。
□災害訓練の種類
・連絡・通報訓練(必要な状況を速やかに伝える)
・初期消火訓練(消火設備の確認や使用方法を学ぶ)
・避難訓練(災害の種類により避難経路や行動の仕方が変わることを確認する)
・応急救命訓練・救助訓練(心肺蘇生法やAEDの使い方、けが人の搬送方法を学ぶ)
・図上訓練(図上で被害想定や対応方法を学ぶ、ハザードマップも活用する)
□地震訓練
・緊急地震速報訓練(気象庁が平成20年から年2回実施 実施日以外の時は訓練動画等を活用)
・シェイクアウト訓練(平成24年より国内各地で実施。その場所で「Drop(まず低く)」、「Cover(頭を守り)」、「Hold on(動かない)」を実行)
□風水害訓練
・ハザードマップにて地域の状況を理解し、図上訓練をしておく
・垂直避難の場合は建物の構造や安全性、階段の利用、携行品の確認
□BCP
「事業継続計画」。防災計画とは異なり、災害後の速やかな復旧による事業継続を目指すもので、リスク管理には欠かせないもの。介護・障害福祉サービスは2024年度から計画策定及び研修・訓練が義務化 (児童福祉施設は2023年度から努力義務化)
最後に、この場をお借りして、石川県被災地に対するこれまでの皆様の厚いご支援に、県民のひとりとして心より御礼申しあげます。新型コロナで奪われた「日常」、それがようやく戻りつつあるかと思った頃、今度は地震がその「日常」を奪っていきました。再び戻すにはもう少し時間がかかると思いますが、どうか今後ともお見守りくださいますよう、よろしくお願いいたします。
(石川県 社会福祉法人松の実福祉会 セルプあさがお 施設長 夷藤 和明(No.4035))
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2) 時事/用語解説
「少子化対策の基本を考える」
厚生労働省の人口動態統計によると、2023年に生まれた子どもの数(外国人を含む)は75万8,631人で、8年連続で減少し、過去最少となっている。婚姻数は48万9,281組で前年度から6%減少している。若年人口が急激に減少する2030年代までのこれからの6年が、出生率を反転し回復するラストチャンスとなるので、少子化対策を前例のない規模で対策を進めなければならないと発表している。
まるで泥船が沈んでいくようなこの状況に求められる改善策は何だろうか。いま、子育て対策の充実のため、子育て資金の支給等の金銭的対応や、労働施策、男女共同参画社会、福祉施策等、様々な施策が進められているが、もっと基本となることが忘れられていないだろうかと、広範な社会福祉の現場を持つわが会の一員として思ってしまう。
人生が現在も将来も明るく、幸福なものと信じられる社会でなければ、人は厳しい子育て環境を乗り越え、未来に夢を乗せて子育てをするだろうか。自身も子どもの将来も厳しく暗いものでしかないと思うようでは、進んで子育てしようという気持ちになるまい。これからは晴れの日が続くと信じられる社会にすることが基礎となるものであり、今後の社会保障改革の根本は行政と政治の信頼回復にあると思っている。
「Welfare(福祉)からWell- Being(健康。身体的・感情的・社会的に満たされた状態)へ」ということが言われている。福祉を必要とする方々にサービスを提供するだけでなく、「全ての人たちが満たされた状態を広く求める社会」が求められている。
(広報委員 新潟県 大澤 澄男(No.1030))
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3) 会員のつぶやき
コロナ以前とコロナ以後と何が変わったのかと聞かれて確実に言えることは、自身が4歳年をとったということである。特に私の場合、60〜64歳という、自身の引退と向き合い、より有用で円滑な継承についてじっくり考えしっかり手を打っていかねばならなかった時期を、コロナ対応に追われ空しく時を過ごした感がある。
このことは私個人や私の属する施設のことではあるけれど、広く保育所運営や保育所を取り巻く社会情勢を考えても、じっくり考察して変えるべきものは変え、残すべきものは大切にしていくといった過程が省略され、理由が曖昧なままになくなっていく行事や、行事の持ち方の急激な変容があるようにも思う。
新型コロナウイルスの影響が次第に薄まっていく中、コロナ前よりさらに良い保育所運営をめざしてさらに精進すべきことは重々理解しているつもりだが、4歳分腰が重くなってしまい、思うようにならない。
(山口県 社会福祉法人蓮の実会 玖珂保育園 園長 桂 信一(No.3425))
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4) 施設長のための業務チェックリスト(実践のポイント)取り組み紹介
本会の「施設長のための業務チェックリスト(実践のポイント)」を使用しての感想をご紹介します。
このたび、日本福祉施設士会に正式に入会いたしましたので、「施設長のための業務チェックリスト」を用いてチェックを行いました。
結果として、総合診断結果は「A」評価でした。グラフで見ると「3.組織への姿勢」「4.職員への姿勢」「6.自己への姿勢」は高い評価でしたが「1.利用者への姿勢」「5.地域への姿勢」が低い評価でした。
3及び4については、法人指針や施設目標を掲げ、定期的にチェックしながら取り組んでいますので、更に研鑽を積みながら高みへとつなげていきたいと考えています。
評価の低かった1及び5については、現状分析とそれに対する課題を職員個人が共通認識として持ち、解決へ向けて取り組んでいく必要があると認識しました。例えば、サービス計画の立案や提供にあたっては、もっと利用者様や家族様の声を反映できるよう、家族会やSNSで簡単に意見交換をできるような体制を作る必要があります。「5.地域への姿勢」では、地域区会の参加、ライフレスキューへの取り組み等を行っていますが、地域福祉計画や地域の福祉ニーズに施設機能を活かせるように、職員の意見も取り入れながら改善できるよう取り組んでいきたいと思います。
(福岡県 社会福祉法人恵愛会 特別養護老人ホーム日迎の園 部長 眞田 幸司(No.5815))
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〔お知らせ〕
○第45回全国福祉施設士セミナー
9月12日〜13日に和歌山県で開催する標記セミナーについては、8月9日まで申込を受付中です。
(本会ホームページ「インフォメーション」の本セミナーのご案内ページ「参加申込フォーム」よりお申込いただけます)
○ブロックセミナー開催情報(日程・会場)
(詳細はホームページに後日掲載いたします)
・中国・四国ブロックセミナー
主管 島根県福祉施設士会
日程 令和6年10月9日(水)〜 10日(木)
会場 大山隠岐国立公園内・三瓶山北の原キャンプ場(島根県大田市)
・関東甲信越静ブロックセミナー
主管 静岡県福祉施設士会
日程 令和6年10月24日(木)〜 25日(金)
会場 浮月楼(静岡県静岡市)
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◇メールマガジンバックナンバーは以下に掲載しています。
http://sv6.mgzn.jp/pub/mailList.php?cid=S604763
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┏次回は9月1日発行予定
発 行:全国社会福祉協議会
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