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配信日:2024/04/01
日本福祉施設士会【DSWI】メールマガジン No.96
日本福祉施設士会【DSWI】メールマガジン No.96

令和6(2024)年4月1日
(本メールマガジンは毎月1回1日に配信しています)

【もくじ】
1) 今月のチェックリスト
:時代に即したルールの見直し
2) 時事/用語解説
 :観察、記録の向上が専門職に求められている
3) 会員のつぶやき(新コーナー)
4) 「施設長のための業務チェックリスト」取り組み紹介
5) お知らせ
 :「福祉QC」入門講座の開催(6月25日〜26日)

  
*本号本文は約3,640文字です。

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1) 今月のチェックリスト

 「時代に即したルールの見直し」

□組織つくりの基本姿勢
□給与・手当の見直し
□キャリアアップイメージの構築

【解説】
 私の経験で話しますと、入職時の平成14(2002)年は翌年に控えた措置制度
から契約制度となる大転換期でした。今思えば、中途採用もそれほど多くなく、
新卒の学生が入職しバランスの良いピラミッド型の組織体制ではなかったかと
思います。
 時は進み、福祉系学生の減少や福祉現場からの離脱など、若年層の福祉離れ
を感じています。一方、年齢が高い方においては、社会貢献意識を持ち入職さ
れる方が一定数居ることを感じています。よって、年齢と経験年数のバランス
がとれず、適正なピラミッド型が構築できていません。
 そこで、自法人の現状を鑑みながら、あるべき姿の未来を予想しながら取り
組むべき課題をチェックしたいと思います。当法人が取り組むべき課題として
記述しますので、すでに取り組んでおられる方にとっては至極当然と思われま
すが、今一度フィードバックしてみてはいかがでしょうか。何かきっかけにな
れば幸いに存じます。

□組織づくりの基本姿勢
ここ数年では新卒学生の採用がありません。高等学校への訪問の際、卒業後
の進学が各学校にて違いはありますが、それほど高い数字では無く就職者が
半数以上占めているようです。福祉系大学等の場合は卒業後、専門知識とは
関連性のない企業への就職者が存在するとのことでした。近年はただでさえ
学生数が減少しているだけに、新卒学生の取り込みが重要と思います。
解説にも述べたように、年齢と経験年数のバランスを意識した育成が重要な
課題ではないでしょうか。ただし、採用ありきではなく、離職しないための
方法や現職者との関係性づくりにも注視が必要と思います。

□給与・手当の見直し
現在使用している俸給表は、人事院勧告俸給表を使用しています。いつから
更新していないのか。あるいは気に留めることなく時が過ぎたのかはわかり
ませんが、諸規程の見直しを行いだして気づいた次第です。賃金設定は合理的
であるので問題ありませんが、基準としている俸給表の更新が出来ていません
でした。さらに、一人ひとりの年齢や経験年数に応じた給与水準に達している
のか、取り組んでいる業務や職域に対する給与水準に達しているのかなど、
検討が必要なことばかりが脳裏をよぎり、今日現在も模索中です。
しかし、考えてばかりでは解決もしませんので、今年度10月より更新する
予定をたてながら取り組んでいます。その理由としては、近年の最低賃金上昇
率が高く、毎年10月に時給者の賃金見直しを行うことで、月給者の賃金見直し
作業が必要のため、そこに合わせて改定作業の準備を行う予定としています。
また、公的資格に対する手当の充実も検討しています。障害分野において、
一部の職域では資格を求めますが、一般職では資格ありきで採用することは
ありません。しかし職員のスキルアップやサービスの質向上のため、自己研鑽
する職員のためにも、資格別による手当を付与することで、モチベーションの
向上を図りたいと思います。さらに、これから資格取得をめざす職員を増やし
て行きたいと思います。

□キャリアアップイメージの構築
繰り返しになりますが、すべての職員が新卒で就職しているわけではなく、
新卒であっても中途採用であっても、個人の成長段階に合わせたキャリア
アッププランを構築し、段階における人事考課・評価をもって、やりがい
のある職場となる仕組みづくりを進めたいと思います。そのキャリアアップ
プランですが、経営側が一歩的に押し付けるのではなく、個人面談等を踏まえ、
お互いに確認し合うことが必要と思います。そして、成長した暁には両者に
とってWin-Winの関係性を築けることをめざしたいと思います。

(執筆:広報委員長 長崎県 志賀 常盤 No.4894)

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2) 時事/用語解説

 「観察、記録の向上が専門職に求められている」

AI、デジタル化が進むなかでの、人が人に関わる介護などの行動観察や
実施したことの文章化、行動記録のことにふれたい。
わが書斎の机の上にデンマークから持ち帰った大型で厚いスケッチブック
のようなノートが残っている。ノーフェンスホイスコーレでの研修が
始まってすぐ「ロックボー」と呼んで渡されたものだ。「航海日誌」のこと
だと言う。その日の出来事で大切だと思ったことを日記風で分析的、
構造的に書いて次につなぐためのものだと教えられ、研修中だけでなく帰国
しても続けるようにと指導を受けた。毎日一日を振り返って日記を書くこと
の重要性を3月に書いたが、なかなか出来ることではない。さらに分析的に
書くことは大切であり難しい。しかし挑戦したいと思う。このことを在日
デンマーク大使館や日本・デンマーク生活研究所などから指導していただけ
ないだろうか。福祉実践現場での観察、行動記録の重要性、専門職員の質向上、
いまよりもひとつ、いつもめざしていくことを求めていきたいと思う。
隣接市で教育長を10年務めフリーライターを自称している元小学校長などの
教員をしていた方から「日本教育新聞書評」を、地元新聞などで原稿をよせて
いる方から前年度の読書歴の報告が新年に寄せられた。何故これ程の本を読み、
原稿が書き続けられたかを考えると、学級担任時代に年間100冊もの
「日刊の学級通信」を長く書いた体験があったからだと思うと述べられていた。
日々分析し活動に生かしてきた実践が文章力をつけ、人生に役立ったとのこと。
デンマークの「ロックボー」で実践を進められ、教育実践についての数冊の本
も出していられる人がいたことを改めて教えられた。

(執筆:広報委員 新潟県 大澤 澄男(No.1030))

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3) 会員のつぶやき(新コーナー)

長崎県福祉施設士会の活動をしているなかで、在籍会員数と実際に活動に参加
している人数はイコールではありません。おそらく、他県にしても同様な現象が
起きていると思います。コロナ禍も落ち着きが見られる昨今、いままでの
「出不精」を振り払って活動することが、人とのつながりを深め自分自身の成長
につながる絶好のチャンスと思うのは私だけでしょうか?自分磨きのためにも
皆さんからのパワーを得てみては?

(執筆:長崎県 志賀 常盤さん(No. 4894))

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4) 施設長のための業務チェックリスト(実践のポイント)取り組み紹介

日本福祉施設士会の「施設長のための業務チェックリスト(実践のポイント)」
を使用しての感想をご紹介します。
今回は、東京都 なぎさ和楽苑 池田 めぐみ氏(No.5741)のレポートです。

施設長に就任し、丸4年を迎えます。目の前のことをジャッジしなければならない
状況下に戸惑いながら、日々追われるように過ごしてきました。ふと気が付くと、
できたこと、できなかったことなど整理する時間もままならずにおりましたが、
今回のチェックリストを使用してみて、求められる事柄について学ぶことができました。
また、当然ながらそこには関係法令などの根拠があり、自身のこれまでの判断がその
根拠に基づくものとしてふさわしい行動であったかどうかに改めて気づかされました。
こうしたチェックリストを定期的に実施し、自身の判断や遂行状況を振り返るには、
簡単に取り組める仕組みも必要だと感じます。
日本福祉施設士会のホームページにはデータがアップされています。チェックシート
のチェックと同時に評価から強みや弱みが表示され、課題が身近に整理できるので利用
をお勧めします。
施設長経験の未熟ななか、判断に迷うこと、また業務の組み立てなどほかの先輩施設長は
どのようにされているのだろうと考えることも多いので、チェックリストを材料に
新米施設長の交流会や勉強会にも展開できると嬉しいです。

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5) お知らせ

「「福祉QC」入門講座の開催(6月25日〜26日)」
 
令和6年度の「福祉QC」入門講座が、6月25日(火)〜26日(水)に全社協会議室で
開催されます。参加申し込みは下記インターネットサイトよりご登録ください。
https://forms.gle/QU3UamRjETdrw15s5
なお、詳しくは、本会ホームページ、
http://www.dswi-sisetusi.gr.jp/をご参照ください

…―‥―・―――――
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http://sv6.mgzn.jp/pub/mailList.php?cid=S604763

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┏次回は5月1日発行予定
発 行:全国社会福祉協議会
日本福祉施設士会 広報委員会
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