日本福祉施設士会【DSWI】メールマガジン No.91
令和5(2023)年11月1日
(本メールマガジンは毎月1回1日に配信しています)
【もくじ】
1) 今月のチェックリスト
:ご存じでしょうか?困難女性支援新法の施行について
2) 時事/用語解説
:環境保全、ユニバーサルデザイン推進、介護内容の新しい展開
3) 会員リレーコラム
:労働環境から法令遵守(コンプライアンス)を考える
4) お知らせ
:実学講座(オンライン)「決算書を読み解く(後期/応用編)」の開催(12月6日)
*本号本文は約3,240文字です。
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1) 今月のチェックリスト
「ご存じでしょうか?困難女性支援新法の施行について」
□困難女性支援新法は来年2024年4月に施行されます。
□都道府県のホームページにて困難な問題を抱える女性への支援に係る検討会議の結果
が公開されています。
□今後パブリックコメントが実施され、現場の声を直接届けることができる貴重な機会
となります。
【解説】
(1)困難な問題を抱える女性への支援に係る基本方針等に関する有識者会議について
困難女性支援新法の施行に向け、困難な問題を抱える女性に対する支援の具体的な在り
方について検討することを目的として、「困難な問題を抱える女性への支援に係る基本
方針等に関する有識者会議」を開催しています。
(参考)厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28829.html
(2)都道府県基本計画等の策定について
困難女性支援新法では、都道府県は、国が定める基本方針に即して、都道府県基本計画
を定めるとともに、市町村についても同様に、市町村計画を定めるよう努力するものと
されています。そのため、都道府県等は令和5(2023)年度中に、都道府県基本計画を
定めていただくとともに、管内市町村に対し可能な限り市町村計画を定めるように努め
ていただくよう、働きかけていただきたい。
(令和5年3月 厚労省社会・援護局関係主管課長会議資料より)
私の住む千葉県においても去る9月19日に「令和5年度第1回千葉県困難な問題を抱える
女性への支援に係る検討会議」が開催されました。メンバーは大学教授・弁護士(有識者)、
婦人保護施設の代表者、婦人相談員、婦人相談所長、行政機関の代表者、民間支援団体の
代表者、児童相談所長の8名です。
検討会議では「計画の基本的な考え方」「千葉県における困難な問題を抱える女性をめぐ
る現状及び課題」「関係機関等へのヒアリング結果」の説明がありました。
国の基本構想で定める「支援調整会議」(関係機関・民間団体で支援内容を協議する場。連携・
協働した支援)は全く新しいものであり、法の理念を具現化するために非常に重要なもので
あるという認識に基づき今後あり方について検討していきます。
現状において女性の抱える困難さは非常に多様化しているはずなのに、婦人相談所に寄せ
られる相談は90%以上がDVです。このため婦人相談所の秘匿性が高まり、一時保護利用者
の携帯電話使用や外出等の行動制限が強化されたことから、特に若年層からの相談が敬遠
されているのでないか等の問題点が挙げられました。
今後11月開催の第2回検討会議後にパブリックコメントが実施され、現場の声を届ける貴重
な機会となります。3月には基本計画が決定、公表される予定です。
(執筆:広報委員 千葉県 田尻 隆 No.4692)
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2) 時事/用語解説
「環境保全、ユニバーサルデザイン推進、介護内容の新しい展開」
台風が太平洋側を北上するなか、かつて私のゼミに属し、「高校福祉教育の卒業研究」
を行い、高校福祉教員を実践している方の結婚式に参加してきた。
地球規模の環境悪化が影響し台風、ハリケーン、大雨、動植物被害、山林火災、
食糧不足、健康問題などと続いている。
わが家の庭の「赤モンかぼちゃ」は花盛りだが結実する花がない。茄子やキュウリは
種子を守るために皮を厚くしている。子孫を残す環境ではないと結実しないとか、
種子を守ろうと必死だったりしている。
日照りで大きな樹木が枯れてきた。昆虫、動植物が環境悪化にいち早く気付いて必要な
対応をとっているのに、人間、しかも先進国と言われる国の人達はそれに気付かないか、
環境保全への対応は遅れている。
全国規模に展開している結婚式場のバリアフリー化、職員教育は進んでいるのだろ
うか。段差の改良、手すりの取り付けも進んでいない。障害者や高齢者だけでない全
ての人達のためのユニバーサルデザインの推進が待たれ、それもICDH-2からICFへの
実践だろう。
今年も敬老の日がやって来た。65歳以上の高齢者は3,623万人、総人口の29.1%で、
80歳以上は1,259万人と人口の10人に1人だ。高齢者の就業率も25.2%で19年連続の
増加で70歳以上も増加している。
わが家の隣りの畑は、90歳をすぎた高齢女性が四季にわたって管理し、家族と季節の
野菜を育てて活き活きと生活している。
介護の内容も役割をもって、その人らしく活発な生活活動を進めていくことを支える
「生きることを支え、支援する介護」が求められている。「健康寿命を支える介護」、
「リハビリと介護の一体化」、「他領域との連帯化」が進められなければならない。
そのことを幼児期から、義務教育期、高校福祉教育で学ぶことが早急に求められている。
わが日本福祉施設士会は幼児期から高齢期まで、多職種、多機能の専門職が集まって
いる特色を生かしての対応ができる会である。この提言が口火となって拡がることを
期待したいと思っている。
(執筆:広報委員 新潟県 大澤 澄男(No.1030))
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3) 会員リレーコラム
「労働環境から法令遵守(コンプライアンス)を考える」
複雑化する労働環境と社会福祉法人が求められている法令遵守(コンプライアンス)
の厳格化は、法人の社会的信用並びに存続に大きな影響を及ぼすことを、責任が伴う
法人との委任の関係である「理事、監事並びに評議員等の役員関係者」は認識しな
ければなりません。
「労働を提供し対価を得る、労使合意のうえで成立する労働契約」をはじめとする
「労働」に関する法律として、「労働基準法」だけでなく「労働契約法」のほか、
多岐にわたる労働に関する法律の趣旨と労働環境の実態を照らし合わせることが重要です。
特に職員が働くうえで「職員の生活と給与(賃金)」に対する「説明と合意」という
行為が労働訴訟などの大きなトラブルの原因となることも認識し、「法令遵守
(コンプライアンス)に対して責任が問われる」ことを役員等が就任する際に周知
されなければなりません。また、一人ひとりが認識していることが「国民に対する
説明責任」にも繋がることを忘れてはなりません。
理事会や評議員会等に出席し、提案された議案を「多数決であるか否か」といった
決議することのみを主体に考えている役員等が就任している法人であれば、理事会等
の機能としての「牽制が働かない」状態に陥り、役員等は、「法人の社会的信用の
失墜に結び付き、法人に対する損害を与えた責任が問われる」ことを理解している
ことが求められています。
「公益法人のうち、社会福祉事業を目的とした法人格である社会福祉法人」の現状
について、法人認可先もそのことを踏まえた対応を願いたいです。
(執筆:沖縄県 玉城 政さん(No.4192))
→次回は 長野県 竹内 勇貴さん(No.6019)の予定です。
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4) お知らせ
「実学講座(オンライン)「決算書を読み解く(後期/応用編)」の開催(12月6日)」
実学講座(オンライン)「決算書を読み解く(後期/応用編)」が、12月6日(水)
に開催されます。拠点区分の計算関係書類の完成とその活用を学ぶプログラムです。
詳しくは、本会ホームページ、
http://www.dswi-sisetusi.gr.jp/をご参照ください。
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┏次回は12月1日発行予定
発 行:全国社会福祉協議会
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