今月ご紹介する作家は、川端康成・荻原井泉水・新田次郎の3名です。
川端康成(かわばた やすなり)
明治32年6月14日(1899)生
昭和47年4月16日(1972)没
小説家。大阪市北区此花町生。東大国文科卒。
横光利一らと同人雑誌『文藝時代』を創刊
西欧の前衛的な文学潮流を取り入れた、新感覚派の代表作家と目される。流行作家、新人発掘の名手、日本の美の紹介者として、多彩な顔を持つ。作品として「伊豆の踊子」「雪国」「千羽鶴」等。1968年ノーベル文学賞に輝き、国際的な評価も高い。
荻原井泉水(おぎわら せいせんすい)
明治17年6月16日(1884)生
昭和51年5月20日(1976)没
俳人。東京芝区神明町生。東大大学院卒。専攻は言語学。
本名藤吉。旧号愛桜。晩年は随翁とも称す。
河東碧梧桐らと新傾向運動に参加するも、のち離別。ゲーテ、シラーらの短詩に影響を受け、自由律の句作に邁進する。俳誌「層雲」主宰。門下には尾崎放哉、種田山頭火らの俊英が集う。代表作として句集「原泉」「長流」等。
新田次郎(にった じろう)
明治45年6月6日(1912)生
昭和55年2月15日(1980)没
小説家、気象学者。長野県諏訪郡上諏訪町生。本名藤原寛人。
神田電機学校卒。妻ていは作家。高山気象研究の専門家として富士山気象レーダーの建設にも係わる。『強力伝』で直木賞受賞。『武田信玄』などの執筆活動に対し、吉川英治文学賞受賞。山岳小説の第一人者として知られるが、科学者や技術者に材を取る作品も多い。