八木書店出版物メールニュース 2019年10月29日号〔第51号〕

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イベント・ニュース

高精細カラー版複製

その特長とこだわりをマンガで解説

活字ではわからない原本の情報を、最新技術で正確に再現する八木書店の高精細カラー版。
その特長を、新進気鋭のマンガ家、永美太郎氏書下ろしの作画により解説します。

高精細カラー版はどのように作られているのか。
影印本とデジタルアーカイブの違い。

文字資料を扱うあらゆる分野の研究者はもちろん、大学生、図書館司書の方など、人文学にかかわる皆さまにお届けいたします。

【展示会開催中! 11/16まで】
奈良絵本を見る! 第2回

第1回(本年1月開催)大好評につき、新たな出品で第2回を開催いたします。(入場無料)

本展では、御伽草子とよばれる公家や武士の物語、『竹取物語』『伊勢物語』などの平安物語、幸若舞曲や百人一首のカルタ等々、多種多様な奈良絵本コレクション(個人蔵)30点を一堂に展観!

第1回とは別の新たな出品で、時代を追って様々な原本を間近にご覧いただけます。


【奈良絵本とは】
室町時代後期から江戸時代中期にかけて、主に京都・堺などで作られた彩色絵入りの絵本や絵巻のことです。一点毎に手作業で作られ、素朴な作品から豪華なものまで様々な作品が残されています。

※呼称の由来:扇子等の「奈良絵」との連想から、明治期以降に「奈良絵本」と呼ばれるようになりました。

【さらに奈良絵本を知るために】
反町茂雄氏「奈良絵本私考」(全8回)
これをよめば、さらに奈良絵本がわかる、おもしろくなる! 以下のサイトにて公開中。
第1回
https://company.books-yagi.co.jp/archives/5058

【日本古書通信でも連載開始!】
『日本古書通信』2019年10月号より、慶應義塾大学の石川透先生による連載 「奈良絵本・絵巻の研究と収集」がスタート! あわせてご覧ください!
【本メールマガジン下欄参照】


<会期>2019年10月25日(金)〜11月16日(土)
<展示会開催時間>10時〜入場17時まで
※11/5(火)・10日(日)は休みです。
※入場無料です。

<場所>八木書店 古書部3階
住所:東京都千代田区神田神保町1−1

 

【学会出展】秋の学会・出展情報

八木書店は下記の日程で学会に出展予定です。

書籍の展示販売のほか、近刊書の内容見本などを多数ご用意しております。
学会にお越しの際には、お気軽にお立ち寄りください。

【11月9日(土)・10日(日)】
・史学会(於:東京大学文学部)
学会詳細: http://www.shigakukai.or.jp/annual_meeting/schedule/

・日本近世文学会(於:県立広島大学)
学会詳細: http://www.kinseibungakukai.com/

新着コラム

日本と高麗の関係を探る旅と出会い
(開成中学校・高等学校教諭 近藤 剛)

「「こんな幸運に巡り合うことがあるなんて!」
九州国立博物館の収蔵庫内で、私は興奮を抑えきれずにいた。2017年に当館の所蔵となった鎌倉時代のものと考えられる古筆切「嘉禄三年高麗国牒状写断簡及按文」(以下「高麗国牒状写断簡」と称す)の冒頭一行目に衝撃を受け、次行以降に広がる未知の文言に目を奪われてしまったのである。現物の写真は、この度刊行する『日本高麗関係史』のカバーにカラー写真で掲載し(左図)、本文中にモノクロ写真で掲載している。…」

近藤剛著『日本高麗関係史』要旨 (日本語・ハングル)

「著者は、卒業論文以来、日本と高麗との関係史について研究を進めてきた。この間、大韓民国高麗大学校への交換留学を実施し、韓国における研究についても可能な限り学び、本書を執筆した。
その上で、日本高麗関係史研究の課題として、次の4点を挙げたい。…」

南陽堂の宋版「文選」
村口半次郎【洒竹文庫及び和田維四郎氏7】

「村口 それから楠林君(35)の家に宋版の「文選」があった。これを称して三万五千円といっていた。
話は聞いていたが、恐れをなして行きもしませんでしたが、京都の内藤湖南さんが見えて、楠林へ行って見て来られて、鉱山懇話会に和田さんをたずねられまして「楠林の家に宋版のいい『文選』があるが、村口がどうして見逃しているか」「そうですか」というので、電話で私に「楠林に宋版の『文選』があるのに、なぜ手を着けない」「あるのは知っておりますが、何しろ三万五千円というので手が着けられませぬ」「他が手を着けないのを貴様が値切って相場で納めるのが当り前じゃないか」。値切って相場で納めろと言う、(笑声) 仕方がないから出かけました。…」

透過光撮影で読み解く紙背文書
『外記日記 新抄』の見どころ
(遠藤珠紀・東京大学史料編纂所)

「…この日記には、将軍宗尊親王の追放、様々な鎌倉とのやりとり、蒙古からの牒状の到来、南禅寺の創建、勅撰集続古今和歌集の選集など興味深い記事が多く見える。他の記録の多くはない時期にあって、貴重な史料である。」

「…今回『尊経閣善本影印集成』では、高精細カラー図版に加えて透過光撮影が行われ、その画像も参考図版として掲載されている。これによってこれまで見えなかった文字も読み解けるようになった。」

新刊案内

【10月25日刊行】日本高麗関係史

日本と高麗の関係を解明した初めての総合研究。
正式な通交関係になかった日本と高麗を中心に、契丹(遼)・金との国際関係をも含んだ東アジア全体から俯瞰。韓国の最新研究や韓国の金石文等の成果もふまえ検証。

近藤剛著
本体9,800円+税


【10月24日刊行】新天理図書館善本叢書28 奈良絵本集6

伝本の稀な室町末期から江戸極初期までの逸品に加え、多彩な作品群の中から優品24点を精選し全8巻に収録。高精細カラー版により、微細な色遣いが一目瞭然に!

収録書目
[1]しづか(室町末期写、一冊) 〔解題〕恋田知子
[2]まんぢうのさうし(江戸初期写、二冊) 〔解題〕恋田知子
[3]花鳥風月物語(室町末期写、一冊) 〔解題〕石川透

天理大学附属天理図書館編
本体33,000円+税


【速報 2020年2月刊行予定】リオ・デ・ジャネイロ国立図書館蔵 日葡辞書

2018年、中南米大陸ブラジルで初めて発見された
日本のキリシタン版辞書を、高精細・原寸カラー版で初公開!
400年前の日本・ポルトガルの言語を知る最重要資料

エリザ・タシロ/白井純編
本体予価60,000円+税


【11月25日刊行予定】尊経閣善本影印集成68 実躬卿記2〔第九輯 鎌倉室町古記録〕

文書・暦・歌合など、様々な紙背を利用して書かれた自筆日記

鎌倉時代後期の公家、権大納言藤原(正親町三条)実躬(一二六四〜?)の日記。弘安六年正月〜延慶元年(一二八三〜一三〇八)正月までの自筆日記が現存する。亀山・後深草・後宇多院等による院政の時期に、廷臣として活躍する実躬の行動が記述されている重要史料。紙背にも文書・具注暦・仮名暦・歌合など多彩な記述を含む。
「実躬卿記」二〔所収〕永仁元年〜嘉元元年(1293〜1303)


前田育徳会尊経閣文庫編〔編集委員〕尾上陽介・加藤友康
本体36,000円+税


【11月下旬刊行予定】近世演劇の享受と出版

本書収録の「浄瑠璃史における貞享二年」では新たな視座で従来説を覆す論を展開。
基本文献を捉え直した刺激的論文を多数収録。

大橋正叔著
本体11,000円+税


【好評既刊 6月10日刊行】近松浄瑠璃の成立

天理大学附属天理図書館の豊富な蔵書に接した著者が浄瑠璃本の出版過程に於ける近松の関わりから、座付き作者としての近松論を構築。

大橋正叔著
本体11,000円+税

 

【9月20日刊行】史料纂集古記録編
第204回配本 妙法院日次記25(全25冊)

京都東山七条の寺院妙法院の坊官が、寛文12年(1672)より明治9年(1876)まで書き継いできた記録

妙法院史研究会(杣田善雄・藤平寛田・弓場苗生子・三崎義泉)校訂
本体17,000円+税


【8月26日刊行】
尊経閣善本影印集成72
外記日記(新抄)1〔第九輯 鎌倉室町古記録〕

記録類が少ない鎌倉時代後期の政治史を知る。
「外記日記(新抄)」尊経閣本は唯一の古写本であり、他の写本は尊経閣本の系統となる。
『続史籍集覧』に「新抄」として翻刻されるが、国会図書館本が底本で、良質な写本の公開が望まれていた。
紙背文書は『大日本史料』で一部翻刻されているが、今回の影印により全容を初公開。
〔所収〕文永元年〜三年(1264〜66)/紙背文書・同透過撮影

前田育徳会尊経閣文庫編
〔編集委員〕尾上陽介・加藤友康
本体37,000円+税


【8月25日刊行】
史料纂集古記録編 第203回配本
兼見卿記7(全8冊)

新発見の天理図書館所蔵の自筆原本を収録。織豊期の最重要史料!

橋本政宣・岸本眞実・金子拓・遠藤珠紀校訂
本体13,000円+税


【8月24日刊行】
新天理図書館善本叢書27
奈良絵本集5

伝本の稀な室町末期から江戸極初期までの逸品に加え、多彩な作品群の中から優品24点を精選し全8巻に収録。高精細カラー版により、微細な色遣いが一目瞭然に!

収録書目
[1]いはやものがたり(室町末期写、二冊)〔解題〕金光桂子
[2]じやうるり(室町末期写、二冊)〔解題〕石川透

天理大学附属天理図書館編
本体33,000円+税

日本古書通信だより(2019年10月)

「日本古書通信」10月号(84巻10号)
10月15日発売

定価750円(送料79円)
※消費増税により定価、送料が変わりました。

10月号主要目次
奈良絵本・絵巻の研究と収集1   石川 透
全国書房の署名印刷本―谷崎本書誌の余白に9   山中剛史
小村雪岱装幀本目録(1)   真田幸治
小村雪岱装幀本雑記1−高山樗牛の縮刷『瀧口入道』   真田幸治
江戸戯画とその周辺―耳鳥斎以後(その二)鉄鳥斎2   宮尾與男
『林芙美子全文業録―未刊の放浪』補遺2   廣畑研二
蒐集回顧談4   柘野健次
出版社のPR誌7「第一書房月報」   飯澤文夫
昨日も今日も古本さんぽ108 栃木市   岡崎武志
本卦還りの本と卦 150 野中至・千代子   出久根達郎

「奈良絵本・絵巻の研究と収集」(石川透)より
奈良絵本という言葉は、日本の古書に携われている方ならは、必ず知っている言葉である。しかし、奈良絵本と聞いてイメージするものは、人によってかなり異なっている。以前の研究者の中には、素朴な古態を有した絵本のみを指す、と考える方が多かった。しかし現代では、金色の入った豪華な絵巻を含めて奈良絵本と呼ぶことが多い。私自身は、冊子本の奈良絵本と絵巻物とを、いちおう別の形のものとして扱い、奈良絵本・絵巻という言葉を使用している。


新刊紹介
『素人が考えた天皇制の本質―大嘗祭の本質』

日の本の一郎著
本体2000円+税

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八木書店メールニュース 2019年10月29日号〔第51号〕
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